multipleろぼっと

ロボットとかいろいろ CNCとかも

CNC自作~ハード編~

 

昨年からCNCを製作しています。

なぜ製作に至ったかというと,大学で二足歩行ロボットを製作しており精度のよいアルミフレームを作るにはCNCが必要になってきます。んで安いCNCはないかと探していたらshapeokoというCNCがあるじゃありませんか。でも海外から輸入すんのめんどくさいなーと考えてたらどうやら制御部がArduinoを用いており簡単に作れるんじゃねと考えて行動に移した結果がこうなりました。

製作の目標としては以下となります。

・安い(3万程度)

・簡単に作れる

・それなりの剛性・精度

・制御部との接続はパラレルポートは用いずUSBを使う

・加工範囲はA4ノート程度

(僕の理想とするCNCの形としてはShapeokoが一番近く、また制御系は一通りそろっていました)

 

 

それでは構成について説明していきます

 

1.フレームにはMDF材を用いる

これにほかの方の自作CNCのフレームがMDF材を用いていたものが多かったという理由もありますが、安い・加工しやすい・平面度が他の木材より出しやすいというのがあります。近所に売ってあったMDF材が12mmだったので2枚重ねにしてボンドで接着しています。

2.送りねじには台形ねじを用いる

Shapeokoではベルトを用いてステージを稼働させています。しかし一般的には工作機械には送りねじを使っており、ベルト駆動では分解能が足りないのでは?トルク不足では?と考えています。ねじ軸にはホームセンターに売ってあるようなピッチ1mm程度の寸切ねじでもよいのですが加工速度が欲しかったので外形14mmピッチ3mmの台形ねじを購入しました。

3.直動部にはリニアシャフト・リニアブッシュおよびスライドレールを用いる

ステージを動かす場合は直動部が必要になってきます。また精度のある部品を用いなくてはなりません。モノタロウで取り扱っている部品では”これ”が一番安かったので購入しました。(クレカを持っていないので精度がよいであろう他社製品を買うことができませんでした)

A4サイズ程度の加工範囲が欲しかったのでY軸にはホームセンターで売ってあるようなスライドレールを購入しました(扱いづらかったので正直後悔しています)

4.モータにはステッピングモータ

ヤフオクで3個で3000円ぐらいで買えました。粘って探せばいくらでもあると思います。□56mm24V0.28Aのユニポーラタイプ(バイポーラ接続します)のものです。

 5.スピンドルにはやすいリューター

これ[amazon]をホームセンターで買いました。芯ブレがひどいので調整が必要です。

調整といっても叩いて殴るだけですが('ω')

 

 完成したものがこちら

 後ろから

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台形ねじのナットにはジュラコンを使っています

摩擦が少なく良い感じです(バックラッシ対策をしてないのでダメダメでした。ダブルナットなどで対策した方がいいです)

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台形ねじをグラインダーで加工してタップネジを作っています

 

カップリングは高いのでゴムチューブに水道管用の締結部品を使用しています

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ネジにはφ4mmを使用し、鬼目ナットを使ってねじ締めしています

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自作CNCでアルミ板(t1.5)切削 - YouTube

(スピンドルはなるべく静かなものがいいですね(((´・ω・`))))

 Y軸のバックラッシ対策を怠ってたのとスピンドルがうるさすぎて夜中に回せないのとでやる気が削がれちゃってお蔵入りしちゃいました

 

 

 

今回このような工作機械に分類される機械を製作するのは初めてでした。

戸惑うところも多かったですがネット上に自作されている方が多数おり、難しくはありませんでした。

情報収集も含めると1年以上かかったかもしれません。アウトプットするまでに多大な時間がかかりましたがその分帰ってくるものが大きかったです。

ではなぜこんなに時間がかかったのか、これについては製作する際の目標である”安くつくる” ”それなりの剛性・精度”の部分のためであると考えています。

たとえばメーカー製CNC・自作CNCをされているかたにはTHK社のLMガイドを使用されている方が多数います。このLMガイドは精度もよくまたこれ自体にも剛性があります。精度のよい部品を用いればそれだけで精度のよい機械を製作することが可能になると私は考えています。(私は学生なので詳しいことはしりませんが…)

また剛性を満たすためには金属でフレームを作ればよいです

しかしその通りに作ってしまうと学生のお小遣いでは到底無理な価格になってしまいます(メーカー製CNCを買ったほうがやすいかも)

3万近くで収めたかったので試行錯誤・情報収集を繰り返すたびに現在の形になったのだなと感じました。

でも要は要求するもの(アルミ板を削る)を満たせればOKなわけで満足しています。

 

今回CNCを設計する時、強度計算は行わず目視、手触り、他者様が作った感想から大まかに計算しました。本来は切削トルクなどから計算を行って計算を行うのでしょうが分からない&めんどくさいから行いませんでした。

体で要求される強度が分かるのなら計算を行う必要はないと思います。

トライ&エラーでやったほうがわかりやすいですしね。

学部時代に授業でスクリュージャッキの設計を行ったことがあります。

その時の要求が3トンのもの1分間に120mm上昇させるというものでした。

最終的にねじ軸の直径が120mmになりました(笑)

 こういったものを設計する際は強度計算は必須なものとなります。

CNCを設計するときに強度計算を用いていたらもっと違う形になっていたかもしれませんね。

 

加工に関しては大学の設備が自由に使えるのでパネルソー、旋盤、フライス盤、ボール盤等を使わせてもらいました。

基本的にボール盤だけあれば製作できると思います(MDF板はお店に頼む&台形ねじの代わりに寸切りねじをつかう)

設備の中にはMODELAもありましたがCNCを製作するのにCNCを使ったら負けだと思ったので使いませんでした。

しかし私の加工精度はあまりよろしくないので現物あわせ&作り直しでなんとか組み立てることができました。MDF板だったので加工もしやすかったです。

 

~追記~

・台形ねじのピッチが3mmに対してモータドライバが1/16ステップなので最少分解能が0.1875mmになってしまいました。ピッチは小さいほうがいいのかな…

 

 間違いでした…1回転200ステップのモーターなので3mm/200step=0.015mm

1/16ステップの場合はさらに1/16にして0.0009375mmですね

GRBLでTB6560(最小パルス幅10us)を動かす場合はGRBLのパルス幅が10us~40us可変なので1/2ステップぐらいでしか脱調せずに回せませんでした。A4988などは最小パルス幅が1us程度なのでGRBLでも十分に回せます。

 

 

 

~回路&ソフト編~へ続く…